新宿三丁目駅のホームへの階段を下っていると、前を歩いていた2人組の女性の会話が聞こえてきた。

ふんわりとパーマがかかった艶のある髪の毛をかきあげた左側の女性は、心配になるほど痩せ細った脚に、ピッタリとしたゼブラ柄のパンツを履いていた。中森明菜の姿が頭に浮かんだ。

「好きになった人が結婚しているっていうことがないからわかんないですけど、なんかぁ…」

右側の女性が口を開いた。

妖艶な印象のゼブラ柄の女性の後ろ姿に、少し好感を覚えた。

電車に乗ると、英語の会話が聞こえてきた。

日本人女性と白人男性が親しげに話をしていた。日本人女性は少しオーバーな抑揚をつけた英語を話しており、違和感を感じずにはいられなかった。いったい、誰に、その話を聞かせたいのだろうかと思った。

ゼブラ柄のパンツの女性が頭に浮かんだ。その後ろ姿がとても素敵だったと思い返した。