Category: WORDS AND IMAGESPage 2 of 2
友人との約束の時間に間に合わせるために、自転車に乗り、高円寺に向かった。今、私が事故に遭い死んでしまったとしたら、どのようにして私の身内に伝わっていくのだろうかと、 自転車を漕ぎながら考えた。お世話になった人から頂いたシルバーの腕時計をポケットに入れていた事を思い出した。私は、自転車を止め左手首に腕時計をはめた。
東高円寺駅を降り、家路を歩いていると、二人の青年が自転車を引いて歩いていた。 「・・・を仲間にするには・・・」 どうやら話はゲームの内容だった。大学生の頃、就職活動をする現実から目を背き、1つしか持っていなかったプレイステーションのゲームを何度も繰り返して過ごしていたことを思い出した。ゲームが楽しかった訳ではないが、それ以外に何かを先に進める行為が思い浮かばなかった。 ある日、看護の勉強をしている友人が、死生観についてのセミナーがあると紹介をしてくれた。興味があったが、特に理由もなく、そのセミナーには参加をしなかった。セミナーの内容はどういうものだったのだろうかと思いながら、駅から家へと歩いていると、先日見かけた二人の青年が自転車でこちらに向かっている。 「リガズイと、ガンダムXと…」 すれ違い様に聞こえた会話は、どうやらまたゲームの内容だった。その声質は、活気に満ちたものだった。