東高円寺駅を降り、家路を歩いていると、二人の青年が自転車を引いて歩いていた。
「・・・を仲間にするには・・・」
どうやら話はゲームの内容だった。大学生の頃、就職活動をする現実から目を背き、1つしか持っていなかったプレイステーションのゲームを何度も繰り返して過ごしていたことを思い出した。ゲームが楽しかった訳ではないが、それ以外に何かを先に進める行為が思い浮かばなかった。
ある日、看護の勉強をしている友人が、死生観についてのセミナーがあると紹介をしてくれた。興味があったが、特に理由もなく、そのセミナーには参加をしなかった。セミナーの内容はどういうものだったのだろうかと思いながら、駅から家へと歩いていると、先日見かけた二人の青年が自転車でこちらに向かっている。
「リガズイと、ガンダムXと…」
すれ違い様に聞こえた会話は、どうやらまたゲームの内容だった。その声質は、活気に満ちたものだった。